鰓過呼吸

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【ゲーム感想:ゼルダの伝説 夢をみる島】色褪せない名作をさらに色鮮やかに、すべてのフルリメイク作品のお手本となる作品

この記事に含まれるもの:ゼルダの伝説 夢をみる島(Switch版)のネタバレ有感想、ちょっと暗い思い出(?)話
終盤の演出、結末、スタッフロールの楽曲等に言及しています。初見の感動を損なう可能性がありますのでご注意ください。

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メーカー:任天堂
ジャンル:アクション、アドベンチャー
価格:6,578円

ニンテンドーeショップ商品ページ
ec.nintendo.com


2019年9月20日!ついにこの日がやってきた!
あの名作「ゼルダの伝説 夢をみる島」のフルリメイク、Switch版の発売日!

原作はゲームボーイで1993年に発売された同名タイトル、及び1998年にゲームボーイカラーで発売された夢をみる島DX。
時オカ等の3Dのゼルダに比べて、神トラ等の2Dのゼルダは難しいタイトルが多いイメージがあるけど、
夢島は難しいながらも遊びやすく、何度も死にながらも諦めずに秘密の貝殻とハートのかけら全て集めてクリアした思い出深い作品。
そして勧善懲悪でないストーリーの味わい深さと、クリア後の何とも言えない切なさはシリーズでも随一だと思う。

2周して真エンドも見届けたので感想を書いていきます!

★★★

過去にもゼルダのリメイク作品は複数出てるけど、ムジュラ3Dや風タクHDなどは画質を向上、システム回りを改善した移植、という色が強かった。
だから夢島は恐らくシリーズ初?のドット絵から3Dモデルに、デザインまで刷新したフルリメイク作品になるんじゃないかな…
(Wikipediaゼルダの伝説ポータルで確認してきたけど漏れがあったらごめんなさい)

近年UNDERTALE等もそうだけど、特にインディー界隈でレトロで良いとドット絵の魅力が再発見されていると思う。
ケロブラスターでもドット絵はプレイヤーの想像力に任せられる長所があるから、
サスケさんの口元はあえて作画しなかったって話もある。
(製作者さんのインタビュー参照→ http://www.moguragames.com/entry/pixel_interview/ )

今回はドット絵・8bit音楽そのままでなくデザインは刷新、GB/GBC/3DSのVCで夢島を遊んだ人と、今回初めて遊ぶ人にどう受け取られるか?って課題がある中、
開発ブログで「押し付けがましい味付けはしない」って言っている以上、どういう仕上がりになるのか楽しみに待ってた。

結果から言えば、フルリメイク作品としてこれ以上ないくらい最高の出来映えだった……!!!!
GBとSwitchでは出来ることがあまりに違うから、余計な味付けはしないとはいえ、メーべの村の地理が多少変わってるとか、
セリフが多少現代っぽくなってるとか、それくらいの改変はあると思ってたら…全部そのまま…

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海辺でマリンに助けられて、マリンとタリンの家を出てメーべの村を目の当たりにした瞬間「帰ってきた」って思った!
ただ、原作の良さを残しながら遊びやすくっていうところにもものすごくこだわりを感じて、
持ち物をこまめに入れ替えないといけない煩雑さを除けばあの時代のゲームにしては元々丁寧な作りのゲームだったけど、

・フィールドダンジョン問わずマップにマーカー付与機能
・フクロウのセリフ読み返せる
・ワープポイントの増加とマンボウのマンボの利便性向上
・パワーブレスレット・ペガサスの靴が入手後は常時装備されている
・ブーメランと交換したアイテム買い戻せる
・ブーメランの威力減少他バランス調整
・盾で攻撃を弾いて倒す敵等戦略性アップ
・カナレット城の空飛ぶニワトリで取る貝殻等取り返しのつかない要素の調整
ミニゲームの報酬が豪華に…等、
追加要素として紹介されてたダンペイさんのパネルダンジョンを除いても、改良点が数えきれないくらいある!

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はやりのゲームには景品としてフィギュアが追加、このバージョンのアミーボ欲しい…

ダンジョン以外の部分はマップの切り替えがなくなって見やすくなったし、
グラフィックの質が向上したから地形の高低差や障害物もわかりやすくなって、
マップマーカー機能と相まってフィールド・ダンジョン探索がすっごく快適!!!

無くなったのは写真屋さんイベントくらい…?
どろぼーも出来るし自分では未検証だけど有名な面白バグも残ってるらしい…それは最早バグというかビタロックで長距離飛行するみたいな仕様では…

クレイアニメみたいな質感のリンクたちはものすごくかわいい。マリン、かわいい……ものすごくかわいい。めっちゃかわいい…島から出ないで島の土になってもいい…
もちろんドット絵では無いけど、元のデザインからドット絵ならではの愛らしさ、素朴さって部分を上手に抽出して3D化したようなデザインで本当に最高。
まさに、夢島のGBのカセットをSwitchに差し込んだらこうなる、って感じ!!

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それから、音楽!
ゼルダの音楽と言えば壮大なオーケストラだけど、これも原作のピコピコ音の良さを上手に残した素朴なアレンジが多くて、
元々の楽曲の良さに加えてリコーダーやフルートの音色が印象に残る素敵な仕上がり…!
ダンジョンのボス戦の曲は結構ポップなアレンジになってたり、オカリナの曲を手に入れた時のごまだれ~~のSEがオカリナで演奏したものだったり、
トロンボ海岸で剣を拾う時の「冒険が始まるぞ!」っていう変わらないワクワク感とか、
音楽がこのフルリメイクをより素晴らしいものに引き上げてくれてるのは間違いない!

ゼルダの楽曲の中でも特にタルタル山脈が好きで、どんなアレンジになるか楽しみにしてたんだけど、これも最高過ぎた……。
音楽が切り替わるところまで行けるようになったら突っ立ってずっと聞いてた。
さらにすごいのが、タルタル山脈だけでアレンジが3種類あること!!!
マリンとのデートイベントの時フィールドの曲がオカリナで演奏したものに変わって、それも可愛らしくてデートのテンション上がるんだけど、
このイベント中に立ち寄る必要のないタルタル山脈までちゃんとマリンデートバージョンがあって、2パターン目のこれもまた最高…。

終盤のタルタル山脈でのマリン救出イベントで、マリンとタリンが去った後
フクロウからマリンがかぜのさかなを起こそうとしたことを告げられて、
ラストダンジョンのカメイワへ向かうように言われる…っていう一連のイベントの間はBGMがないんだけど、
この終盤も終盤のところで3パターン目の重厚でややスローテンポなアレンジに切り替わる…っていう演出考えた人天才過ぎる。

夢島ってそもそもサントラ出てなくて、30周年記念アルバムに3曲収録されてるだけなんだよね…。
今回特装版がアートブック付きで、それも素晴らしい内容だったけどサントラ欲しかった…今からでも出てくれないかな…

ストーリーももちろん変わらず、謎解きも変わらず…なんだけど謎解きはところどころ忘れてるのもあったりして、
記憶をたどりつつ考えつつ解くのがとっても楽しかった!
ただ、やっぱりコホリント島がかぜのさかなの見ている夢の世界だとわかっててプレイするのは、
それを示唆する表現が出てくる後半は特に結構つらかった…。
マリンの「カモメだったら飛んでいくのに」ってセリフも。
でもかぜのさかなの、コホリント島は消えても思い出は残るって一連のセリフがすごく好きで…。

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何度か書いてる通り母はゲーム大好きで、その影響で自分もゲーム好きになったけど
母以外の人からは結構「ゲームなんかやって意味あるの?」とかひどい時は「女なのにゲームやって気持ち悪い」とか言われたりして、
ゲームが楽しくて大好きなのに、それって良くないことなのかなとか思っちゃったりして…。
でもかぜのさかなのこのセリフを見た時に、夢オチのお話に限らずあらゆる創作物が思い出の中で生きることって、
それだけでとても素晴らしいことなんだって思えたんだよね。
かぜのさかなのこのセリフがあるから、夢島を単純な夢オチって言いたくない…。
夢オチって言葉が何となく「何だ夢かよ、がっかり」みたいなニュアンス含んでる気がして。
リンクは確かにかぜのさかなの夢の世界を救ったし、マリンはカモメのようにずっと遠くまで飛んでいけたんだと思う。
それに、プレイした人の心の中にコホリント島はあり続けるからね。

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何かSwitch版と関係ない思い出(?)話もしちゃったけど、とにかく最高のフルリメイクでした!!!!!
ありがとう任天堂、ありがとう青沼さん、ありがとう夢島制作に関わったすべての人たち…
リンクのアミーボも買っちゃったのでもうパケ版追加購入くらいしか出来ることがない…
サントラずっと待ってます……………